「この方に手出しはさせません…。」






氷の双剣が受け止めていた…。





「まったく、吸血鬼てのはしぶといね。」





キン!と弾き。
執事と美少年は不敵に笑う。
接近戦にて執事は少年の首を狙う。






気配が消える。
「甘いね。」
首元めがけて金の杖が刺さる。






「!」






氷が砕ける音がした。
「私の配下に手出しは無用。」





アイスブルーの瞳が輝く。
「氷の魔女よ。我が城の虫を排除せよ。」






魔力が充満する。





「氷魔女アイスヘルゲ…。」





氷の魔女が美少年を捕らえた。
凍り漬けの天使が出来上がる。






息が上がる執事を抱き上げる。
「申し訳ありません。」





「グラス…。無茶をするな。」





「私は…。」




「!?」





ガラガラと音が響き渡る。





「ほう…。アイスヘルゲを破ったか。虫けらよ。」





小さな雷が落ちる。





金髪の天使が微笑み立ち上がる。
「化物相手に本気でいかなかった天罰かな?」






雹と雷が落ちる。





「グラス…。虫けらが入った。部隊に連絡してくれ。」





「こんな時に何をおっしゃるのですか?!」





アイスブルーが輝く。
「これは王命だ。行くんだ。」





「ネージュ様…。」





身を切るように執事は消えた…。





「さて、虫けらよ。我が城に入ったものがどうなるかわかっているか?」




アイスブルーと双眼が輝く。





氷と雷がぶつかり合う。





光を放つそれは美しく壊れていく。






その時強風が吹き荒れる。
アイスブルーの瞳が細くなり怪訝な顔になる。





「何をしている?」





クルクル髪の風見鶏が現れた。
「いや!手負いの王様を助けに…。次いでに報酬の上乗せ?みたいな?」




「化物が二匹もいるのはやはり不利かな?」
空気が振動し雷鳴と共に二人に雷が落ちる。






「おぅ!あっぶなー!坊主好みだけどさ…。その物騒なもの寄越してほしいな。」





「嫌だと言ったら?」
微笑む天使。





「なら…。力ずくでだ。」
翡翠の瞳が消えていた。




風が渦巻き雷が鳴り響く。
悪魔と天使が戦う如く、城が揺れている。






翡翠の瞳が天使の背後を捕らえた。