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闇の境界線で赤い獅子と白い犬がにらみ合い…。ユニコーンがそれを見ていた。





緊張感ていうものが無さすぎます…。
ユニコーンはため息をついた。




影が揺れる。
「舐められたものだな…。」
碧眼のバンパイアは白いフードに堂々と正面から言い放つ。




「!」
ただならぬオーラにレイピアを抜く。





「我等は王の影剣なり。王命によりお前らを狩る。」





「ふっ…。読まれていたということですか?」





影から姿を現した。
バンパイアの暗殺部隊…。影の剣…。





包囲された白十字。





「ハッハッハ!敵に不足なし!参るー!!」
赤い獅子が正面から碧眼のバンパイアに挑む。





「まったく。筋肉バかにはついていけないぜ…。」
援護射撃をしながら走り出す。





「リオン!シアン!」





「殲滅せよ!」
バンパイア部隊が牙を向く。
境界線は血の海と化して行く。






遥かな高みから眺める鷲は冷ややかに戦場を見つめていた。
目を細め…。その時を待つ。





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音もなく誰もいない廊下を進んで行く。





カツーン!
一つの豪奢な扉の前に立ち開け放つ。





一人で座しているバンパイア。
瞳は閉じている。





扉が勝手に閉じ、灯りが灯る。





「これは歓迎されてるのかな?王様…。」
微笑む金髪の少年。





「歓迎?招いた覚えはないがな…。虫けらよ。」
ゆっくりとアイスブルーの瞳が開く。
その威厳と冷たい美しさにゾクリとする。





空気が氷つくとシャンデリアが落下する。





飛び退いた羊。
靄のシャンデリアは…。
氷の塊だった。





お互いに見つめた。
アイスブルーと二色の瞳が混じり合う。
共に美しき瞳が輝く。
互いに不敵と微笑み。





空気を震わせる。
美しき戦いは境界線の攻防を左右する。





互いに喜んで戦う仕草は美しく。
硝子の輝きを作り上げてはキラキラとスターダストのように散っていく。




氷の造形に挑む美少年は天使のごとき杖を振る。





邪魔者はいらない。





最後の氷の造形の騎士が破られる。
杖は確実に心臓を狙う。





「!!」






アイスブルーの瞳が見開かれた。