グラスの瞳がアイスブルーに変わり…。誰か別の声がしている。
「氷結界…。氷華の棺。アンフルラージュ…。」




最後に見たのは悲しそうなグラスの顔に…。




漆黒の瞳…。


「ノア…。」





意識は闇の中に落ちていく。




氷の花は玉座の傍に青く輝き横たわる。
それは、永遠に朽ちない呪い。




*******




「ここは化物屋敷か?」2丁拳銃…。ホワイトファングを握りしめる。



白い犬が吠えている。
「何言ってるんですか?化物の巣窟に来てるんですから当たり前です!」




声を殺して叫ぶ梟…。





彼女の体には見えない鎖を纏っている。





「歩く凶器は心配なんてないよな。」





赤くなる梟は「別にありませんよ!」





ため息をつく犬は「誉めてないつーの。」




がさがさ!




骨皮の生き物が通り過ぎ、半透明の複数の鳥が横に並んで飛んでいく。





「たく!心臓に悪いぜ。ターゲットは何処だよ。」





「今探ってます…。」





体から四方に見えない鎖が放たれる。






闇の住人のように黒いフードで姿を隠す。
だが匂いは…。隠せなかった。





骨皮の敏感な生き物がそれを感じて威嚇する。





白い犬が一筋の弾を放った。





生き物は倒れる。散っていく。




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目を開けたら…。
「えっ?なんで…。」





モノクロの世界が広がっていた。





どうしていいかわからずとにかく歩き出す。




歩く度に波紋が広がっていた。




出口は知らないし、時間すらもわからない。
とにかく、葉のない樹木を探す。あの木を…。





目の前に何か見えた。





「リュビ!どうしてここにいるの?」





撫でると嬉しそうにしていた。





「お前に逢えるなんて思わなかったわ…。」







突然後ろから何か…。





「あれ何?きゃっ!」






リュビは無理矢理背中に乗せて走り出す。





必死に掴みながら後ろを振り返る。





波紋は無くて…。変わりに黒い何本もの蛇のようなものが波のように下から湧いて…。追いかけて来る!





何処に逃げればいいのかわからない。





リュビが突然立ち止まると霞のように消えていく。





「リュビ!」