瞳の奥が揺れていた。






「マリーて呼んで。家族はそう呼んでくれた。」




驚く顔をした。





「ね?ダメかな。」





「では…。二人の時だけ。私は執事ですので。」




「ありがとう!」





「では…。デザートをお持ちしますね。」






扉が閉まる。





空を見ていた。綺麗な空を…。





「ジーナ…。友達が出来そうだよ…。」





小さな十字架を握りしめ、ここで生きると誓った。
亡き家族に思いを込めて…。






*******





扉を閉める…。




あぁ…。私は…あの笑顔が好きらしい。





私は…あの笑顔を壊す手伝いをしているというのに…。





あの方は私を信頼されている。人が信頼するなど本来ならあり得ない。





執事が信頼されるのは誇り高き名誉。





我が王に私は…信頼されていると信じたい。





あぁ…。私は…。