さぁおいで…。と手招きするシスター。






鐘の音で毎日鳥と共に目覚めた。





目覚めた一番に
「おはよう。」





綺麗な金の髪…。
姉のようなジーナ。





私の家族…。





手をつかもうとしたのに霞のように消えていく。




「待って!私をおいていかないで!」





走るも遠くて…。





「ジーナ!」





振り返るジーナは…。
「ダメよ。」
と口を動かして…。






鐘の音で目が…。





「覚めたわ…。なんておんなじ音で…。なんて…。なんてこんな恰好!」





目覚めが悪い。しかも裸でベッドの上。





思わず叫んでいる。





知らないことばかり…。知らない場所。
教会…。家しか私は…知らなかった。





そしてここは…。魔の巣窟。恐いのに…。
どこか楽しんでいる自分もいた。





「主よ、お許しください。」





「独り言が多いな…。」





「!」





びっくりしてベッドに潜り込む。





しかし隣には…。





「の、ノア。おはよう。」





不敵に笑いながら見ている。バンパイア。さっきは戸口に立ってただけだったのに。





遊ばれてる…。絶対。





「なんだ?」





顔が近い!





口づけで何も言えなくされる。





「んっ…。ふっ…。ふっ。ダメや。」






息ができない。頭が回る。





「ここ…。ふっどこ!!」





ピタリと止まり、
そのまま、抱き上げ…。




「私の湖城だ。」





バルコニーに広がる湖は美しい。





「凄い。」





顔をあげると。





「ここで暮らす。」






「えっ?」





顔が赤くなる。体も火照る…。





「くっしゅん!」





部屋に戻ると
「グラス…。」






「かしこまりました。」





ベッドにおろされ…。ノアは、消えた。






赤いドレスがベッドの脇に置いてある。





「これ?」




「本日はこれをとノア様より…。」





動きにくそう。シスター服は…。ダメだよね…。