蹄の音が響いた。
キラキラと煌めく蝶が飛んでいた…。
それを追いかける。
川で対峙していたアイスブルーと紫の魔物…。
毒針をこっそり氷の針で軌道を反らした。
紫の魔物は逃げていく。
森には石に変えられた魔物…。
「ここに逃げるなんて正気じゃないわ。」
紫の魔物が振り返る。
「まさかここまで追ってくるとはな。」
「王の所有物に手を出したならそれは死に値する…。」
氷の双剣を構えた瞬間。
別の気配に警戒する。
森の奥が光る。
そして断末魔の悲鳴。
暗闇からもうスピードで此方に向かって来る!
素早く木の上に飛び乗る。
紫の獣の脇を何かがかする。
グラスの目には火の固まりに見えた。
紫の魔物には黒々とした鎧のような獣に紅い瞳が…。
声を出すことを忘れたかのように怯えた。
炎を纏う獣は紫の魔物の命を奪う。
四肢は力なく垂れ下がっていた。
獣は獲物に噛みついたまま森ノ宮に消えていく。
森の奥深く…。森ノ宮へ。
それからあの獣には会うことはなかった。
あんな魔物は見たことも聞いたこともない…。
むしろ…。あるのは恐怖。
真っ直ぐに獲物に食らいつく。
バンパイアである私を…。
闇の世界の生き物の頂点にいるバンパイアが畏怖するくらいの魔物。
あれは何…。
狂気を纏うような旋律。
あれは…。
*******
暖かい光は何処に消えていく。
今は闇。
体にまとわりつく闇が体の自由を奪う。
目の前に…。
「オオ…カ、ミ?」
横たわる私を見つめる。紅い瞳の獣。
首にゆっくりとその牙をはめて絞めていく。
私は…。苦しさに喘いだ。
「…。」
紅い瞳の獣…。
「ノ…ア…。」
蒼い炎が迸る。
これは夢…。
これは夢?
紅い瞳の獣が見下ろしている。
キラキラと煌めく蝶が飛んでいた…。
それを追いかける。
川で対峙していたアイスブルーと紫の魔物…。
毒針をこっそり氷の針で軌道を反らした。
紫の魔物は逃げていく。
森には石に変えられた魔物…。
「ここに逃げるなんて正気じゃないわ。」
紫の魔物が振り返る。
「まさかここまで追ってくるとはな。」
「王の所有物に手を出したならそれは死に値する…。」
氷の双剣を構えた瞬間。
別の気配に警戒する。
森の奥が光る。
そして断末魔の悲鳴。
暗闇からもうスピードで此方に向かって来る!
素早く木の上に飛び乗る。
紫の獣の脇を何かがかする。
グラスの目には火の固まりに見えた。
紫の魔物には黒々とした鎧のような獣に紅い瞳が…。
声を出すことを忘れたかのように怯えた。
炎を纏う獣は紫の魔物の命を奪う。
四肢は力なく垂れ下がっていた。
獣は獲物に噛みついたまま森ノ宮に消えていく。
森の奥深く…。森ノ宮へ。
それからあの獣には会うことはなかった。
あんな魔物は見たことも聞いたこともない…。
むしろ…。あるのは恐怖。
真っ直ぐに獲物に食らいつく。
バンパイアである私を…。
闇の世界の生き物の頂点にいるバンパイアが畏怖するくらいの魔物。
あれは何…。
狂気を纏うような旋律。
あれは…。
*******
暖かい光は何処に消えていく。
今は闇。
体にまとわりつく闇が体の自由を奪う。
目の前に…。
「オオ…カ、ミ?」
横たわる私を見つめる。紅い瞳の獣。
首にゆっくりとその牙をはめて絞めていく。
私は…。苦しさに喘いだ。
「…。」
紅い瞳の獣…。
「ノ…ア…。」
蒼い炎が迸る。
これは夢…。
これは夢?
紅い瞳の獣が見下ろしている。



