息がかかるたびに体がビクン!と反応する。





紋章をなぞる。私は…ただその目を見ていた。





急に気が変わったのか…。何かを気にしている。




バタバタバタン!





何処からかビロードのドレスが出てきた。





いきなり肌を露にされ、シスター服は投げ出された。





気がついたら鏡の前にいる。ノアが後ろに立って見ていた。





「綺麗だ。」





首筋に吸い付く。





もうずっと麻痺している。早すぎる時間の流れに頭はパンクしそう。





「バンパイアは皆こうなの?」





「いや、全てではない。」





「?」





「俺は特別だ。そしてお前もな。」





血の匂いにもう狂いそうだ。
ここでは血を外に出せない。他のものに気づかれる。
私の物だと知らしめてからでなければ。





それでも来るなら焼き尽くしてやろう…。





さっきから気配がしている。力で扉を開ける。





「お前か…。丁度よかった。」




笑いながら口を動かし不敵に執事に告げた。




「これをどうにかしてみろ…。」





「こちらは?」





「私の餌だ。」





いや今なんとおっしゃいました?餌…。





「かしこまりました。」




「あいつはいるか?」





「もちろんでございます…。現王族は謁見の間に。」





「しばらくそれを預ける。どうにかしたら連れてこい。」





「ノア様…。」






「なんだ?」





「いえ…。お久しゅうございました。」





「元主人様と呼んで構わんぞ。」





「滅相もない。」






ノアは出て行った…。





「今から貴方様のお世話を…。私はネージュ·シャンドルの執事…グラス·ビジューと申します。グラスとお呼びください。」





「あっはい…。お世話になります。」