「自分から辞めたのですか」

「キャベツの千切り以外の仕事は嫌だ、と言って聞かなかったのですよ。軽度とは言え障害もあるし、しっかりとした所で就職できたのか、実のところ、私も心配なのですよ」

 それから数日後、会社からの帰宅中に、私は偶然にも彼の姿を目撃した。