毎朝の通勤時、私は弁当屋の前を歩いて通る。そこではその都度、目にする若い男がいた。

 キャベツの千切りが、凄まじく速い男である。集中している男の表情は、まさに鬼気迫る勢いだ。

 彼には軽度の知的障害があると店長に聞いたことがあるが、仕事振りは誰にも真似の出来るものではないだろう。