「お疲れ様です」

『ありがとう。優子ちゃんは今どの辺りにいる?』





どの辺りって言われても…


私はぐるりと辺りを見渡した。





「あっ」

『どうかした?』

「ワンコインランチありって書かれた看板が近くにあります」





この辺りはいかにも敷居が高く入りにくい高級料亭ばかりがあると思ったら、こんなに庶民的なお店があるなんて何だかホッとするよ。





『じゃ、そこで待ってて』

「えっ」

『ワンコインランチでしょ?』





その通り。


二度見したって変わらないその価格。





「はい」

『それなら優子ちゃんはそこに居て』





分かるんですか?と聞く前にブチッと切れた携帯。