「先に行ってる」

「分かりました。私も乾いたら行きます」





ホッと胸を撫で下ろし鏡越しで部屋から出ていく拓斗さんの後ろ姿を見つめる。


拓斗さんの背中ってお父さんよりも確実に広い。


お腹は確実にお父さんの圧勝だけどね。





「でも昔は細かったんだっけ」





お父さんが私に教えてくれたのは昔は町内で有名なスタイル抜群だったって事。


お母さんだって同じように、お父さんが若かった頃は当時有名だったトレンディードラマの俳優さんよりイケメンだったと言っていた。





「あり得ない…」





ブチっとドライヤーの電源を切り立ち上がりふと時計を見る。


あっ、もうこんな時間なんだ。


私も拓斗さんが先に行っている寝室に行かなきゃ。