何となく言ってしまった後に恥ずかしい事を言っちゃったかも、と思った私は誤魔化すようにえへへと声を出して笑ってみると…





「奥様に言われると照れてしまいます」





と、串田さんは笑って言った。





―――ガチャ―





「――ゴホッ、優子」





リビングの扉が開いた音と共に私の名前を呼んだ声が聞こえてきて、その方に視線を移した。





「拓斗さん!身体の方は大丈夫ですか?」





部屋着を身に纏った拓斗さんはいつもよりやっぱり顔色が少し悪く見えて、身体が悲鳴をあげていると見てて分かる。





「打ったから直によくなるから平気だ」





サラッと拓斗さんは言ったけど打ったって、注射や点滴の事だよね?