・櫂side・
「凪。動き出した。」

「そうか。」

そう言って
凪は
パソコンを開き
調べ出した。

それにしても
とうとう
動き出したか。

アイツが。

家に帰る途中に
入った電話。

その相手は
椎だった。

用件が
《閻魔》の事だと
分かった時
俺は
動揺した。

その理由…

それは
早かったからだ。

《閻魔》が
動き出したのが
早かったから…

俺は
《閻魔》が
動くのは
あの日だと思っていた。

だけど
あの日まで
まだ
一ヶ月ある。

いくら何でも
早すぎるだろ。

これは
何を意味するのか…

はあ~
分かんねー

アイツの考えてる事が…

何があって
アイツは
あれほどまでに
星羅に
執着しているのか。

星羅を
苦しめて
何がしたいのか。

頼むから
星羅を
解放してくれよ。

これ以上
星羅を
苦しめないでくれ。

これ以上行くと
星羅が
本当に壊れてしまう。

狂ってしまう。

なあ
星羅が
何をしたって言うんだよ。

星羅は
ただただ
強くなりたかった。

星羅は
自分を分かってくれる
友達が…仲間が…
ほしかっただけなのに…な。

って、悲しんでる場合じゃねーよな。

早く行かねーと。