・星羅side・
だってさあ
みんなは
特上カルビじゃん?

なのに
あたしは
普通のカルビ。

特上カルビの中に
間違って
入っちゃった
色や艶
全部が違う
カルビじゃん。

「はあ。」

そりゃ
ため息も
出るでしょう。

「星羅?
どうした?」

「空也は
特上カルビで
良かったね。」

兄弟なのに
こうも
差が出来るって...

まあ
お母さんが
違うしね。

でも
半分は
同じ血が
流れてるはずだし...

「本当に
空也は
羨ましいよ。」

と、あたしは
言ってしまった。

《羨ましい》
この言葉は
あたし達の中では
禁句の言葉。

だけど
気付かないうちに
言っていた。

この言葉は
あたしと空也を
傷付ける言葉。

だけど
言ってしまったんだ。

そして
あたしは
空也を傷付けた。

そして
自分自信も
傷付ける。

こんな言葉を
言ってしまった自分。

そして
こんな事を思う
自分に嫌気がさす。