・星羅side・
そして
かなり今更な
自己紹介が
始まった。

「俺は
《夢龍》副総長兼情報参謀の
菊蘭和馬-キクラン カズマ-
高三。
和馬でいいよ。
よろしくね。
星羅ちゃん。」

眼鏡が似合う
爽やかな
金髪青目の人は
和馬ね。

それにしても
菊蘭って
あの菊蘭だよね?

日本や世界の著名人や有名人がお忍びで行く
老舗旅館だよね?

あそこには
何回か行った事が
ある。

でも
たしか
娘が一人しか
居なかったはずだけど…

「うん。
よろしくね。和馬。
ねえー
和馬の
その髪と目って
もとからなの?」

「え?良く分かったね。
そう
もともと何だよね。
母さんが
フランス人何だ。」

「そっか。
すっごく
綺麗だね。」

「ありがとう。」

ここにも一人。
闇に囲まれた
人間がいた。

今の和馬は
すぐにも
消えそうな
顔で微笑んでいた。

あたしの
予想だけど...

和馬は
あの
《菊蘭旅館》の人間。

だけど
認められていない存在。

なぜなら
和馬の母親は
違うから。

あの旅館の
女将は
日本人。

だから
和馬の母親が
フランス人だとするなら
多分和馬は
父親が
浮気をして
出来た子供。

世間体のために
籍は
菊蘭に入っているが
まだ
認められていないため
そんなに
知られていない。

いわゆる
隠し子。みたいな者か。

でも
あたしは
何にも言わない。

あたしは
何にも知らない
分からない振りをする。

だって
そこは
あたしが
入ってはいけない
闇だから。