・空也side・
「星羅?
早く乗れよ。」

「うんっ」

そう言って
車に乗ってきた
星羅。

さっきまでの
星羅は
何だったんだよ。

さっきまでの
星羅は…

すっごく
冷たい空気に
包まれていた。

それに
星羅の瞳が
ビー玉の様に…
人形の様に…
何にも映さなかった。

怖かった。

さっきまでの
星羅は
星羅じゃなかった。

俺の知ってる
星羅じゃなかった。

すっごく
冷たくて
闇に
包まれていて
怖かった。

俺が
探していた時に
何があったんだ。

星羅に
何があったんだよ。

たしかに
あの頃の星羅も
闇だった。

闇に
囲まれていた。

だけど
光だってあった。

僅かだけど
光もあった。

だけど
今の星羅には
光がない。

闇しかない。

闇しかないんだ。

なあ星羅。

俺は
星羅が
大好きだ。

あの人達が…

違う。

アイツ等が
星羅の事を
嫌っていても…

俺は
星羅が
大好きだ。

だって
星羅は
俺が唯一
信じる事が
出来る
家族だから。

だから
星羅。

そんな
悲しそうな
辛そうな
顔しないで?

笑えよ。

偽物じゃない。

作り物じゃない。

本物の…本物の…

本物の
笑顔で笑えよ。

あの頃
みた…い…にさ…