・星羅side・
そして
校門に着くと
いかにもっ
みたいな
高級車。

それに
乗っていく
みんな。

本当に
どこの族も
一緒だよね。

高級車で送迎。

あたしも
そうだったな。

あの頃は…

あの頃は
楽しかった。

「星羅?
どうした?」

「ううん。
何にもないよ。
空也。」

本当に
空也の優しさは
あの頃のまま。

それに比べて
あたしは…

全部…

何もかも
変わった。

あの頃とは
違う。

あたしは…

あたしは…

あの頃とは違う。

あたしは
赤に染まった。

そして
死んだんだ。

そう。

あの頃の
あたしは
赤に染まり
死んだんだ。

今のあたしは
ただの
人形。

感情も生きる力も
全てを
無くした…

全てを
捨てた…

ただの
息をしてるだけの…

心臓が
動いているだけの…

人形。

あたしは…

赤に染まった
死んだ人形なんだ。