・椎side・
アイツ…
星羅は
一体何を
抱えてるんだ?

さっきの目は
悲しかった。

悲しい目を
していた。

闇に
染まりながら
悲しい目を
していた。

そして
声が震えていた。

俺は
屋上にある
物置小屋に上る
星羅を見ていた。

隣にある
梯子を使い
上った星羅。

そして
星羅は
たったまま
一度
空を少しみた。

そして
微笑んだ。

悲しい顔のまま
微笑んだ。

だけど
その微笑みは
綺麗だった。

すっごく
綺麗だったんだ。

そして
星羅は
そのまま
寝転んだ。


星羅が
何を考えて
いるのかは
分からないが…

これだけは
分かる。

星羅は
空に向かって
微笑んだのだ。

空を見て
微笑んだのではなく

空に向かって
微笑んだのだ。

多分
これは
星羅の闇に
関係あるんだろうな。

絶対に
俺が
救って見せるから…な。

俺は
空に向かって
そう
誓ったんだ。