・星羅side・
今日は
九月五日。

みんな
何にも言わないけど
あたしは
知っている。

今日は
奴等…
《閻魔》が
攻めて来る日。

あの時も
同じだった。

九月五日に
攻めて来た。

いつ来るか
分からない
敵にみんな神経を
尖らせている。

そして
その時は来た。

「星羅ー
迎えに来たよ。」

奴等が来た。

あたしの中で
黒い何かが溢れ出る。

コイツは
あたしから
大事な物を奪い
大事な人を
殺した憎き相手。

あたしは
コイツを許さない。

「椎。
あたしもいい?」

「危ないからダメだ。
部屋にいろ。」

危ない?

ふふ。笑わせないでよ。

「もお
知ってんでしょ?
あたしは
《麗龍》十代目総長。
《綺死麗》。」

「そう言う危ないじゃない。
今の星羅は
人一人殺しかねない。
だからダメだ。」

「何言ってんの?
あたしは
誰も殺さない。
殺したりしたら
アイツと同じじゃん。
だから
いいでしょ。」

「はあ。
分かった。
気を付けろよ。」

「うん。」

「ねえねえ
早く始めよーよ。」

「チッ、ウルセーナ
オイッ
お前ら殺れっ!!」

椎の合図で
始まった。

あたしは
許さない。

てめーら何て
二度と這い上がれないぐらい
潰してやる。