「早く上がれば?」
「荷物持てよ。」
「えー。めんどくさ。」
と言いつつも、しっかりもっちゃう。
一応お客様だもんね。
「ナツキくんは、お兄ちゃんの部屋を使ってね。」
「はい。わかりました。」
大人の前ではいい子ぶっちゃってさ。
ムカつく。
私にだって優しくしてくれてもいいじゃんかぁ。
「荷物置いてくるから、リビングで待ってて。」
「ん。」
返事も素っ気ないし、いかにもめんどくさそうだし。
でも、私をみると、何を考えてるのか、必ずと言っていいほどニヤリと笑う。
決していい企みではないことは、わかっている。
私は2階へ上がり、以前お兄ちゃんの使っていた部屋に入る。
私の部屋の隣で、家具は、ベッドと机以外は何もない。
だけど、
なっちゃんのものであふれ返っている。
いつも親の帰りが遅かった小学生の頃、危ないからって、いつもうちに泊まりに来ていた。
だから、この部屋はなっちゃんの部屋みたいなもの。
お兄ちゃんは、海外で仕事中なの。
25歳の大人で、とにかく外国に行きたかったがために、海外を飛び回る仕事を選んだ。
我ながら情けない兄の理由だ。
