負けじと、もう一回。

キッと睨んだ目が、なんか赤い。

何泣いてんの?

手首つかんで近づいた。

振りほどこうとするけど、

お構いなしに。

つかまえて、

キスをする。


芽衣の手、震えとる。


唇が離れたら

芽衣は一歩後ろに下がった。

カオめっちゃ赤いし。

かわいすぎやろ。


ヤバイ。

離したくない。


抱き寄せたら

オレの背中に芽衣の腕が

まわったのがわかった。


「…芽衣、めっちゃ好き」


あんだけオシャベリな芽衣が

オレの腕の中で黙ってる。


「芽衣?」

「…嫌やぁ…帰りたくない」

「明日ゆっくり会えるやん」

「…でも、明日帰るんやん」

「そやけど…」


芽衣には負ける。

辛い思いさせてんのは

オレのせいやから。


「ヒロ、もっとキスして」


そんなのはお安いご用。

いくらでもキスくらいしてやるよ。