ザ・レイム(霊務5)


そんな周りは好き勝手にやっている中、ドームの中心では火鳥が1人竜騎の側で辺りの監視を続ける。









火鳥は様々な話をして、幼い彼を不安がらせぬようにしていた。









「火鳥よ……お前の話は面白いが、余に気を使わなくても良い。そろそろ本題を話せ。その無に帰す者とやらのな」









子供ながらに少し小生意気だが、強がっているようにも見えた。









「……と言っても話したくても話せないんだよ。実際ウチらが見たこともないから話しようがないのさ。あくまで先代達から伝わった話だから。唯一、知っていたであろう竜騎はもう居ないしね」









そう言うと、火鳥は少し寂しそうな表情を浮かべた。

無理もない。

己の手で彼を消滅させてしまったのだから。








前の竜騎はもう居ない。

この話を知るのは、四獣霊の中で誰も居ないのである。










「……まあ、実際本当にそんなヤツが居たとしても、余がいる限りは好きにさせぬぞ。何て言ったって、余は『青龍』を受け継ぎし四獣霊なんだからな」










普段ならここで、亀咲に『お前に何が出来るんだ』と頭を小突かれる所であるが、反対に火鳥は竜騎の頭を撫でた。









「アハハ、そうだね♪竜騎は強いね。俺も守ってもらおうかな」









竜騎からしたら頭を小突かれるより、子供扱いして撫でられる方がプライド的にも嫌だった。








「止めろ火鳥。てい!」









手を跳ねのけ、自分の偉大さをアピールするように強く言い放った。









「余は一人前だ! それは下部である礼子が一番分かっている! 火鳥。礼子を呼んでこい!」









「駄目だよ。俺がここから離れるわけにもいかないんだから」








竜騎は緊張感も通り過ぎている。


暇である事から、自分を立ててくれる彼女を呼んで来いと言い続ける。









「でも礼子ちゃんも見回りしてるんだよ?」










「いいじゃないか、あの貧乏面した霊とアホ猫の2人で警備させていれば!」









どうやら竜騎は、皆がカワイイと言う眠り猫でも好かないようだ。

背の勝負でギリギリ負けて、上から目線に頭を撫でられたらから気に食わないのであった