草木をかき分け、体がボロボロになっている霊が一匹そこに居た。
一見、只ならぬ様子だが、これは敵に襲われたワケではない。
何かあったワケでもない。
「どうだった~? 外の様子は?」
樹海の枝を寄せ集め、ハンモック代わりに横になりながら亀咲はくつろいでいた。
自分は獅死雄の作り出した壁は強すぎて通れない為、その囲いの周りを更に調べさせてきたのである。
フルフル。
何もなかった事を伝える先程亀咲に支配された霊は、首を振って見せてきた。
操られた側の霊は自分では動けないので、生い茂った藪であろうが、汚い水溜まりであろうが意志に関係なく進まされる。
その結果が、この哀れもない姿である。
パンツが破けて、ズボンもずり下がっている。
本当に哀れもない。
「ふ~~。何か嫌な予感がしたけどやっぱ気のせいね。アタシの勘は当たらないもの。もう少し回ってきな」
下半身露出のまま、パンツも上げさせないで再び命令を出す。
シクシク……
あ、操られても、涙は流せるんだ



