無に帰す者?
長く霊として存在したオッサンにとって、今までに聞いたこともないフレーズが耳に飛び込んだ。
「初耳ですなあ。シークレットな話ですから当たり前ですが……しかも相手はたったの一人? 力も失ってるとなれば、それ程警戒しなくても良い気がするのですがね」
一度は戦いが済んでる話と言う事と、相手が組織やチームではなく単体である事に危機感を感じさせない面がある。
それをここまで四獣達を警戒させるのは、更なる理由があるのは見通せる。
続きをオッサンが待つと、火鳥は首を振った。
「確かに一度は先代が勝利し、封印に成功した。しかし、封印は解かれた。竜騎の……あのテロ事件の“死”によって」
それに続けて、獅死雄も話を付け加えた。
「本来俺達は、先代から四獣の『コア』となる魂のようなものを受け継がれる。だから、四獣の力は四人全員途切れる事がなく継続されていた。しかし、竜騎の突然の死により、このガキに力は受け継がれたものの、一時だけ均衡していた力が途切れてしまった。そのせいでヤツの封印が解けたのだ」
それを聞いたオッサンは、直ぐに理解した。
この力の強い四獣が、四人同時で封印しなければならない程の力の持ち主……
そんなのが解き放たれたら、よからぬ事が起きるのは目に見えている。
「目的は何ですか? ただの因縁や恨みであなた方に戦いを挑むなんて、リスクの高い事はないでしょう」
「ヤツの狙いは、このチビ竜騎の『龍』の力。既にヤツは朱雀・白虎・玄武のコアを持っているとの事だ。残るが龍の力のみなんだよ……」
心配そうに火鳥が竜騎の頭を撫でる。
子供扱いするなと、少し不機嫌そうながらフンとつまらなそうな顔をしていた



