「そろそろ答えていただいてもよろしいでしょうか? この一連の事件の概要を」
……
一瞬の沈黙があるが、教える気が毛頭ない亀咲が前に出る……がそれを火鳥が手で防いだ。
「いいよ。話しをするよ」
火鳥が全てを話す意志を見せると亀咲はそれに反対もせず後ろの木にもたれかかり、ただ沈黙に徹した。
仲間同士にしか分からない『勝手に話せ』という合図らしい。
火鳥は静かに口を開いた。
「……これは四獣霊の問題だからあまり話したくはないんだけど、この四神の力を狙っている輩がいるんだ。それもずっと昔から。自分達の前から……」
別に驚く話ではない。
神の力と恐れられたら、代々受け継がれた四神の力。
それを欲する霊はいくらでも居よう。
だが、意味の分からない事を発したのを、オッサンは見逃さなかった。
「自分達の前から? それはどの様な意味でしょうかね?」
「正しく言えば前の代の霊獣達さ。俺らに力を託す前の玄武・朱雀・白虎・青龍だね。そんな何千年も前からの『敵』さ」
何千年!!?
中国四千年級!?
そのとてつもない長い年月に、オッサンは息を飲んだ。
「相手は一体何人で……? しかもそんな厄介な敵がいるなんて、今まで聞いた事ありませんな。過去を抉るようで失礼かと思いますが、かつての霊界テロ事件もあんなに目立ってたらその敵に目につくのではなかったのですか?」
この言葉に内心は2人の怒りに触れないかドキドキしているが、これを聞かなければ話は理解できない。
しかし、案外亀咲と獅死雄は何も口を出さずに静かに聞いている。
「敵は……1人。ウチらも正直姿を見たことがないんだ。先代の霊獣は言っていた。既に昔の戦いで敵は四神の封印で力をなくしたと……しかし、それでも『無に帰す者』には気を付けろと……」



