「安全なところ? 安全……安全……ハ――イ!! アタシ知ってるよ~~!」
何やら独り言を呟いて考えてるかと思った礼子が、突然手を上げて提案をしてきた。
「……何だい安全な場所って。少なくともここ以上じゃないといけないよ。後楽園行くのとはワケが違うんだからね」
「こんなとこに居たらバレバレじゃん。アタシでも分かるよ。そうじゃなくて、富士の樹海よ!」
礼子の案は意外にマトモな意見。
『ふじ…』と言いかけたから、もっとふざけて、不二家のキッチン(ケーキ摘み食いしたいから)とか言うかと予想したが、オッサンの考えはハズれた。
「礼子ちゃん? 何故富士の樹海何だい?」
「え~~だって木を隠すなら森の中、霊を隠すのも森の中!! でしょ?」
それを言うなら、霊を隠すなら霊の中と言うものだが……
……!
それを考えた火鳥は、何かを思い付いた。
「いや……案外いいかもしれない樹海は。あそこは霊達も多いスポットだから、霊に紛れて隠れられるかもしれない。それに戦うにしても、人間に害は起きないし、木を障害物として利用すれば逃げられるからね」
他の人はそれを聞いて納得。
この光の世界は、奥がない為に追い込まれたら逃げ場が存在しない。
女王謁見の場とし、戦う地として作られたワケではないので、能力も悠々と使う事は非常に難しい。
光の世界はあくまで里子が作り出した架空の世界なので、壊れてしまう危険性もあるからだ。
流石の伝説の女の名案だと、みんなは誉め称える。
「俺の『壁』も手広く使える場所だ。よくぞそこへ目に付いた」
「アタシの操った死者見張りも彷徨いても可笑しくない場所だね。気に入ったよ」
「流石頭のいい里子ちゃんのお母様だね。満場一致だよ」
尊傍の眼差し。
高まる高揚感。
「オーホッホ! でしょー! これを期に、今後アタシの事は『美しき天才礼子様』と呼ぶように……」
「適当に言った案に、調子に乗らない礼子君」
そこは何を言い切るか分かったオッサンは、言葉に合わせて素早く口を抑えつけたのだった



