ザ・レイム(霊務5)


「安全なところ? 安全……安全……ハ――イ!! アタシ知ってるよ~~!」







何やら独り言を呟いて考えてるかと思った礼子が、突然手を上げて提案をしてきた。









「……何だい安全な場所って。少なくともここ以上じゃないといけないよ。後楽園行くのとはワケが違うんだからね」








「こんなとこに居たらバレバレじゃん。アタシでも分かるよ。そうじゃなくて、富士の樹海よ!」








礼子の案は意外にマトモな意見。



『ふじ…』と言いかけたから、もっとふざけて、不二家のキッチン(ケーキ摘み食いしたいから)とか言うかと予想したが、オッサンの考えはハズれた。










「礼子ちゃん? 何故富士の樹海何だい?」









「え~~だって木を隠すなら森の中、霊を隠すのも森の中!! でしょ?」









それを言うなら、霊を隠すなら霊の中と言うものだが……


……!








それを考えた火鳥は、何かを思い付いた。









「いや……案外いいかもしれない樹海は。あそこは霊達も多いスポットだから、霊に紛れて隠れられるかもしれない。それに戦うにしても、人間に害は起きないし、木を障害物として利用すれば逃げられるからね」









他の人はそれを聞いて納得。




この光の世界は、奥がない為に追い込まれたら逃げ場が存在しない。


女王謁見の場とし、戦う地として作られたワケではないので、能力も悠々と使う事は非常に難しい。


光の世界はあくまで里子が作り出した架空の世界なので、壊れてしまう危険性もあるからだ。









流石の伝説の女の名案だと、みんなは誉め称える。









「俺の『壁』も手広く使える場所だ。よくぞそこへ目に付いた」








「アタシの操った死者見張りも彷徨いても可笑しくない場所だね。気に入ったよ」









「流石頭のいい里子ちゃんのお母様だね。満場一致だよ」









尊傍の眼差し。

高まる高揚感。







「オーホッホ! でしょー! これを期に、今後アタシの事は『美しき天才礼子様』と呼ぶように……」










「適当に言った案に、調子に乗らない礼子君」









そこは何を言い切るか分かったオッサンは、言葉に合わせて素早く口を抑えつけたのだった