ザ・レイム(霊務5)


ふらついてから数分。







何の前触れもなく、唐突に礼子と曲がり角で鉢合わせた。









案外早くの発見だが、数分前の彼女と様子が違っていた。









「あ、オッサン。どおーん? 思いきって髪をバッサリ切ったんだけど」









礼子のトレードマークの一つである、さらさらの貞子並みのロングヘアー。


それが、セミロング程の短さになっていた。










「れ、礼子君? 一体その髪は……」










「切ってもらったの★ いーでしょ!」











そうは言っても、そんな霊の髪を切るような美容院はないのに、どこで切ってきたのだろうか?









「何馬鹿な事を……そんなものどこにあるんだよ」










「どこって……あれだよあれ」









礼子は曲がって来た方を指差して、オッサンの視線を注目させた。









見ると、行き止まりである路地に、黄土色をした塊のような物が木陰で丸まっている。









「はい~いらっしゃい~。そこの人間、切ってかニャイか~?」









……見間違いか。

眠り猫に似たような者が、浮遊霊に声をかけて客寄せしている。










まさかな……









そう思っていると、相手はこちらの存在に気が付いた。










「お。メガネ。久し振りだニャ。元気してたか?」









…………








紛れもなく眠り猫だ……









「ね、ね、ね、眠り猫君!? 君、この街で何しているの!! 家康公の守護は!!?」











ここへきて、まさかの眠り猫。
オッサンは驚きながらも詰め寄った