ふらついてから数分。
何の前触れもなく、唐突に礼子と曲がり角で鉢合わせた。
案外早くの発見だが、数分前の彼女と様子が違っていた。
「あ、オッサン。どおーん? 思いきって髪をバッサリ切ったんだけど」
礼子のトレードマークの一つである、さらさらの貞子並みのロングヘアー。
それが、セミロング程の短さになっていた。
「れ、礼子君? 一体その髪は……」
「切ってもらったの★ いーでしょ!」
そうは言っても、そんな霊の髪を切るような美容院はないのに、どこで切ってきたのだろうか?
「何馬鹿な事を……そんなものどこにあるんだよ」
「どこって……あれだよあれ」
礼子は曲がって来た方を指差して、オッサンの視線を注目させた。
見ると、行き止まりである路地に、黄土色をした塊のような物が木陰で丸まっている。
「はい~いらっしゃい~。そこの人間、切ってかニャイか~?」
……見間違いか。
眠り猫に似たような者が、浮遊霊に声をかけて客寄せしている。
まさかな……
そう思っていると、相手はこちらの存在に気が付いた。
「お。メガネ。久し振りだニャ。元気してたか?」
…………
紛れもなく眠り猫だ……
「ね、ね、ね、眠り猫君!? 君、この街で何しているの!! 家康公の守護は!!?」
ここへきて、まさかの眠り猫。
オッサンは驚きながらも詰め寄った



