太陽が照り付く、無駄に暑い日差し。
道に鳥を放置しておけば、勝手にこんがりとローストチキンが出来そうな陽気である。
オッサンと再会してから、礼子はまたいつもと同じ日々を過ごしていた。
「あ~あ。何か面白い事無いかなぁ~。まだお金貰えてないし」
「仕方ないよ礼子君。この間からまだ竜騎君は目が覚めていないんだ。彼らも忙しくて構ってくれないよ」
竜騎が深い眠りについてから、もう3日は経つ。
その長い眠りに、四獣霊達は光の女王の元で付きっきりの看病をしている。
起きたら連絡を寄越すと里子にも言われていたが、礼子はどこにも出掛けられずいい迷惑だと思っている。
「せっかくハワイ行きたかったのに~~キャンセル料も請求しよ」
「嘘をつかない。元々行く予定ないでしょーに」
礼子はオッサンの小言も軽く流し、指先で髪をいじくり始めた。
「最近髪が伸びてきたなあ~~切りに行こうかな」
「霊は髪伸びないよ。何で本当に伸びてるの君……」
オッサンはそのまま大あくびをして、礼子の方を見直す。
しかし、あるハズのその姿はなく、缶カラが虚しく風で転がっている。
ふと目を離すした一瞬で、礼子は音もなく消えていたのだ。
「まーた、どっかその辺に遊び行ったか」
前もちょっとした隙にいなくなり、近くに住んでる犬と吠え合ってケンカしていた記憶が過ぎる。
そうは言ってもオッサンもやる事がないので、近くまで探しに渋々出掛けた。
もう慣れっこである