先へ進むと、直ぐに道の中央に倒れている影を発見。
それは竜騎に間違いなかった。
「竜騎!!」
亀咲は竜騎を抱き起こし、その安否を確認した。
獅死雄も屈んで様子を見ると、早々に安堵の息を吐いた。
「こやつは気絶しているだけよ。特に力も奪われてはいないようだ……」
無事である事が分かり、ホッと一息ついた。
安心したとこで、2人は分析を始めた。
「先程の男、何者か……あの消え方は尋常な物。亀咲よ、あれはお前のようなネクロマンサー術者が使った土人形か?」
「違うよ……消え方から見ればそう見えるが、先程あの伝説の女と立ち会った時に隣に居た男だと思うよ。このチビをたぶらかせて、力を奪おうとした輩だね。普通の霊なハズさ」
「と、言うことはこやつが龍の力を発揮して、我らの知らぬ能力で敵を消し去ったと言う事になるな」
「そうだね……第三者が来たとは考えにくい。別のヤツも狙って来たなら、このまま力を抜き取れば済む話からね。でも……」
辺りにまだ微かに残る、気持ちの悪い妖気。
これは、コイツが本当に出した力か?
いずれにしても、竜騎が目を覚まして聞けばいい事である。
「ここで、いつまでもこうして目が覚めるまで待つ必要無し。行くぞ」
獅死雄は竜騎を担ぎ、亀咲と共にこの場所を後にした