パァン!!








なんと、軽く掛けた金縛りは、呆気なく弾き返されてしまった。









「ほえ!?」









珍しい。

あんな小さな子なのに、霊力がそこそこあるらしい。










少し興味を持ち、礼子はチーターのような俊足で近付くと、直接その子供の頭を後ろから鷲掴んでみた。









すると、ジタバタ暴れて逃げようとする。









「は、離せこの!! 捕まるもんか!!」










仕方ないので、無理やり振り向かせて礼子は子供相手にメンチを切った。









「おんどりゃあ、人に当たって挨拶無しかい坊主。タマとられたいんかワレェ。なーんてね」









お互い顔を見合わせると、その姿に体が止まった。









この子供は普通の子供とは何か違う。


一番最初の印象はこれだ。









目は強き光と、爬虫類特有の細長い瞳孔。



その出で立ちは、身分が違うような、見た事がない高貴な服で包まれていた。









また相手は相手で、捕まえた相手がただのぶつかった一般霊と気付き、暴れるのを止めた。










「オイ、なんだお前? ぶつかったくらいで、そう怒るな。余は今忙しいんだ」










その言葉を聞き、礼子は思った。





何か……

面白そうな臭いがする……









必要以上に絡んでやろうと、礼子はまずは腰を落として相手の目線に合わせた