「あ~~~~これうまそう!」
街中にある洋菓子の『イチゴモンブラン』を眺めては、それを買ってく人間を後ろから軽く小突いたりしている。
「お。このスカートかわいい!」
それを買ってく人間のスカートのお尻の部分に風船の糸を付けて、気付かずに後ろのスカートが捲れたまま帰って行くのを眺めていた。
「ん? 新感覚マッサージだって! いいなあ!」
それを受けてご満悦した顔の人間に、足払いをやってコケさせていた。
「いらっしゃいませ~。あ、それ特別セールで500円になってます」
あまつさえ、人間に姿を見せる能力で店員に成りすまして、ブランド物の靴を100分の1の値段で勝手に売りつけて販売していた。
そろそろ誰か止めなきゃ、人間界パニック。
「ふう~~遊んだ遊んだ。いつもの小言言うウルサい貧乏霊がいないから楽だわ。さて次は……」
街中に出て辺りをキョロキョロとしていると、急に足に衝撃が走った。
誰かにぶつかったのだ。
霊がぶつかると言えば、霊同士しかない。
その衝撃の位置から、かなり相手は小さいと窺える。
ぶつかったまま挨拶がなく、振り向くと100cm並の背の子供が走り去っているのが見えた。
「挨拶も無し!? この神にぶつかってタダで済むと思うたかガキめ!」
礼子は鬼の形相で、金縛りを掛けた!!