ズズズ……
微かな湯気を漂わせて、渋めのお茶をすすりながら、のんびりと過ごす大男……
選択の番人である。
この時期は突然死や病気などで亡くなる人間は少ないので、今日はのんびりと余暇を過ごしている。
コンコン……
唐突もなく、人間界のドアからノックが聞こえた。
「ちわー。アート引っ越しセンターでーす!」
礼子が部屋に入ると、その後ろからゾロゾロと引っ越しの従業員達が押し寄せてきた。
と言うか、廃校舎の霊達。
「わ! わ! なんじゃい。こんな大勢! みんな生き返るのか!?」
その圧倒的人数に、番人は驚きを隠せない。
「はい~では皆さん~右手をご覧下さい~。これが、かの有名な閻魔様ですね~近付き過ぎると舌引っこ抜かれますよ~。そしてあちらが生き返る為のドアです~」
オー! オー!
パシャパシャ!!
旗を持った礼子に説明され、霊達は喜んで写真を撮る。
修学旅行か。
選択の番人の質問を、完全無視である



