「さて……用件も済んだし、ワシはもう行こうかね」
ヨネさんは生き返る為に、みんなに別れの言葉を告げた。
「そんな! ここに残りましょうよ!」
「そうですよ! そうは言っても人間達を脅かすの楽しくなかったですかい?」
たった数日でも人望が濃く、霊達は引き留めようとしている。
年はかなり上なものの、かつての指導者サキを彷彿させるので、行っては欲しくない気持ちがフラッシュバックで蘇るからもあるだろう。
ヨネさんは諭すように、淡々と、そしてハッキリとした口調でそれを切り返す。
「いや、霊務は楽しかったよ。このままノンビリ人を脅かすのも悪くはない。だけど、それがいつまで続いても、何も変わらないさ。ワシ達は元人間。人は成長しなきゃいけない。ジッとしてられないワシは、霊と言うものに性には合ってらんからのう」
これは、ずっと永遠ここで霊務をしていたいと言う彼らの気持ちも見抜いて、説教も交えつつ自分の考えを述べていた。
いつかはここを飛び出さなきゃいけない雛鳥のように、飛ぶ為の生きる強さを説いたのだ。
そこを突かれると、何も言えなくなってしまう霊達。
代わりに礼子が答えた。
「ほんじゃ、キツネ婆ちゃんが決めた事だし、生き返るドアまでみんなで見送ろうよ!」
選択の間まで行く事を提案すると、他の霊から賛成の声が上がる。
「そうですね。行きましょうみんなで!」
「そうと決まれば、早速行きましょう!」
「し、指導者は……その後決めればいいし……グフ」
礼子のお菓子を食った霊も、泡を吹きながら、地面から小声で言った。
さあ、みんな出発だ!
一同はゾロゾロと、選択の間まで歩き出した



