そして、又してもプランナーが社長の後を追う。
それはそうだ。
今まさに、契約が決まりそうなとこだったからだ。
「ちょっと待ってくださいよ! 契約はどうするんですか!」
「今それどころじゃない! ラッシーがぁ!!!」
遠くに去ってしまう車に、もはや足で追い掛ける事は不能。
校舎の近くに車を置かなかったのが、ここへきて徒となった。
「犬は後でいいじゃないですか! 片っ端からペットショップ当たれば、きっと出てきますよ!」
「何だと! 愛犬を後回しにするとは失礼な!!! 頭に来た! もう契約は破棄だ!」
その怒涛の言葉を残し、アニマル兄は方向を変えて校門の車まで行き、さっさと発進させてしまった。
口は災いの元。
プランナーの慌てて社長の車を追う姿は、哀愁をこれでもかと言うほど漂わせ、そのままいつしか街へ消えて行った……
……
ウオオオオオオ!!!!
校舎から歓喜の声が湧いた。
一連の追い払いを見ていた霊達は、礼子の鮮やかな撃退方法に感激を覚え、一斉にその喜びを称えて叫んだ。
「兄貴~~~~!!! 最高だ~~~~~!!!!」
そんな大盛り上がりに、礼子は笑顔を見せ、勝利のVサインを出した。
て言うかコイツ、ぜってー分かってねーだろ



