ザ・レイム(霊務5)


一応、あんな駄犬でも売れる事は売れた。









万札を数えながら、礼子は主人公が絶対にしないような卑しい笑いを見せる。










「シッシッシッ。意外に校内にも居るもんだね~お宝モンスター。ゲットだね」








モンスターハンターじゃないんだから。

勝手に売らないように。









そう誰も注意する人が居ないもんだから、好き勝手に常識外れの事を連発させる。









ブロロロロ……








輸送車が発進すると同時に、校舎から物凄い勢いでアニマル兄が飛び出した。












「ラッシー!!!!!!!! オイ待ってくれ――――!!!」










今は勝手に売った見知らぬ女よりも、目の前でさらわれてくラッシーを追い掛けるのが優先。










それを礼子は、あたかも関係なさそうに万札で自分を扇ぐ。










「ほえ? またさっきの人だ。今日はよく人が走るなあ~~運動会かな? 走るのは疲れるだけなのによく頑張るなあ。でも疲れたら……ジャーン! このオマケでくれたマッサージエステ優待券を使えばバッチリよ」









嬉しそうに優待券を眺めて得した気分になっているが、何度も言います。礼子は死んだ身。







霊体にマッサージ何て、全く意味がないないない。











『猫に小判』


『豚に真珠』


『霊にマッサージ券』








昔からある、ことわざですね。









これは、あくまで礼子の頭の中のことわざシリーズである