トコトコ……
ニワトリの習性でくちばしでつつき周り、無意味に彷徨いている。
すると、近くの教室から声が聞こえてきた。
礼子である。
「全く……誰よあんなイタズラしてプンプン! ……後はまともそうね。ディズニーのCDがあるけど本体ないかな?」
辺りを探り始めると、戸棚の中に古いコードタイプのCDプレイヤーが埃まみれで顔を出した。
ただ使ってないだけで、まだ動きそうな気配がある。
しかし、コンセントを刺してもここには電気が通ってないのか、ピクリとも動かない。
「う~~ん、電気くらい入れてろって感じ。あ、でも電池でも動くわ」
ちょうど新しい電池があるので、それを使うことにした。
「お。電源入った。さてこれで音楽が聞ける……ん?」
後ろを振り向くと、開いた部屋のドアにエドワードがこちらを見ながら立ち尽くしている。
それをガン見する礼子。
互いに見つめ合う。
ジー。
《コッコッコッコッコ》
ジー。
《コッコッコッコッコ》
ジー。
《コッコッコッコッコ》
……



