ここは、昇降口とは反対側に位置するの小さな扉。
外の駐車場から、最も近い入り口だ。
今は、表門から入って来たアニマル社長に霊達は気を取られ、誰もいない静かな状態。
そこに、2人の男が並んでいる。
その組み合わせは、既に校内に侵入したアニマル社長達と同じもの。
1人はプランナーと顔が違うものの、同じ建設会社のネームプレートを付けたスーツ男。
もう1人は、アニマル社長と顔も同じで体型もまる被り、手には烏骨鶏のニワトリが持たれていた。
瓜二つの人物だ。
「何か騒がしいような様子ですね」
スーツ男がそう言うと、太った男はニワトリを撫でながら気にもとめない様子で答えた。
「どーせ『兄』がなんかやってるんだろ。お~~よしよしエドワード。慣れないとこで落ち着かないか」
そう……会話から分かるように、このニワトリを抱えた男はアニマル社長の弟……
実はこの二人、双子の兄弟なのだ。
通常の会社ではまずあり得ないが、この2人は2人で社長。
それで、経営がうまく成り立っているのである。
もちろん、今回の視察にしてもそう。
2人で視察して、2人で決める為のものであった。
これに霊達が気付いたのは、随分後のことだった



