「とりあえず様子をみましょう……幸い意識があるみたいですし」
礼子は片目を開けて、里子を見上げた。
「おお、いつも苦労かけるわね里子や。ゴホッゴホッ」
「おっかあ……それは言わない約束よ」
そのやり取りが出来りゃあ、あんまり心配しなくても良さそうだ。
「ホラ、行くよ礼子君」
寝たきりの状態なので、背負ってあげた。
「いつもスマナイねえ……お隣のトメ吉さん……」
「私はノらないよ礼子君。さて、里子君。お邪魔したね。何か分かったらまた……」
そうペコリと頭を下げて、オッサンはこの地を去って行く。
「カー君……」
「ハッ。里子女王様♪」
裏に潜んでいた火鳥は、すぐに姿を現した。
「見ていたでしょう? 今の一連。お願い、私のお母さんを助けて」
「モチロン★ 里子ちゃんの大事なお母様だ、俺が原因を突き止めてあげる」
そう言い残して、火鳥は早速出掛けていった