にしても、たった二名の視察か?
少ないようにも感じるが、この違和感は無視して目の前の事を優先的にこなす。
後に重大な事に気付くが、今は冷静になれる程、周りが見えていない。
「いよいよ人間が入りますぜ……」
一通り周りの雰囲気や景観を眺めた後、アニマル社長が校舎に侵入してきた。
まずは手始め。
この玄関口にある、鳴ることのない巨大古時計。
動かなくなった時計だが、数匹の霊力で持ち運んだ電池をタイミング良く入れて、くすんだ音を鳴らす。
いくら昼間とはいえ、あまりいい気分ではない現象だ。
鳴らす瞬間は、早すぎても遅すぎてもいけない。
ちょうどその横を通り過ぎる瞬間に、鳴らしてやろうという算段だ。
「電池は……?」
「もちろん新しいの買ってきたぜ」
重要なとこも仲間同士確認し合い、完璧なまでの作戦を実行させようとしている。
さあ、今まさに通り過ぎる瞬間だ!



