ザ・レイム(霊務5)


にしても、たった二名の視察か?







少ないようにも感じるが、この違和感は無視して目の前の事を優先的にこなす。









後に重大な事に気付くが、今は冷静になれる程、周りが見えていない。








「いよいよ人間が入りますぜ……」









一通り周りの雰囲気や景観を眺めた後、アニマル社長が校舎に侵入してきた。









まずは手始め。






この玄関口にある、鳴ることのない巨大古時計。









動かなくなった時計だが、数匹の霊力で持ち運んだ電池をタイミング良く入れて、くすんだ音を鳴らす。









いくら昼間とはいえ、あまりいい気分ではない現象だ。









鳴らす瞬間は、早すぎても遅すぎてもいけない。






ちょうどその横を通り過ぎる瞬間に、鳴らしてやろうという算段だ。










「電池は……?」








「もちろん新しいの買ってきたぜ」









重要なとこも仲間同士確認し合い、完璧なまでの作戦を実行させようとしている。









さあ、今まさに通り過ぎる瞬間だ!