「そうだ。みんなで力を合わせれば怖くはない! 頑張るぞう!」
思ってもない事を口にし、媚びるように周りからの支持を集めようと行動に移した。
彼は思う。
どーせヨネさんのようなお偉いさんは気が向くタイプが多く、この件が解決した後に、ここのボスになると言い出しかねない……と勝手に決めつけている。
その事から、成功させずに追い出してやろうかと、協力するフリをする案を考えていた。
そこへ来てまた変な女が来たので、本人からすれば気持ちが良くないが、特に1人増えたとこで支障をきたさないので、まとめて失態をさらけ出させようと計画を続行する。
彼は望む。
新しく来たばかりなので、このボロ校舎への愛着はなく、寧ろ人間共が新しく建て替えた綺麗な場所で霊務をしたいと。
それを叶った姿を想像すると、やはり興奮する。
自分が先頭に立ち、部下共を従えて霊務をこなしていくのだ。
まさにお山の大将気分。
そんな底辺での争いでも、トップに立てば、もう女の霊からモテモテ間違いなし!
死んだ者は恋愛などしないのに、霊界にまだ慣れてないせいか誤った認識をしている霊。
感情がない霊と言う存在なのに、珍しく欲が強い者のようだ



