ザ・レイム(霊務5)


礼子もそれに協力すべく、ヨネさんの腕を子供のように引いた。










「ねえねえ~アタシにも手伝わせてよ~」











「礼ちゃんがかい? おお、それはありがたい」











この事により、当然周りの霊達はテンションが上がる。











「やった! 兄貴が居れば100人力だ!」










「待て! あんま喜ぶと、前みたいに情けないって一喝されるぞ」











「んじゃあ、小さく喜ぼう! うわーい!」










相変わらずの小心者達の集いだが、生まれ変わった礼子は以前よりあまり厳しくない。










寧ろ面白そうなので、やたらと首を突っ込みたがるのだ。











目的は一致。









その人間達を追い払う手を、考え出さなくてはならない。










校舎のホコリが溜まった窓から、外を眺めてみる礼子。











一度、その人間らが下見に来たのか?









校舎入口には取り壊しの看板が立たっており、廊下の隅には焼き鳥の串が無造作に捨てられている。










何という人間達だ。



マナー悪過ぎ。









「ムム、こんなとこにゴミを捨ててくような輩は、アタシ許さないんだから!」









すると、意気込んでる所に水を差したくないが、霊は恐る恐る手を挙げた。










「あ、兄貴……それは兄貴が生前、会社の帰り道にここに寄って捨てていった串です……」











その霊はボソッと言いましたが、都合の悪い事は聞き流した礼子でした