礼子もそれに協力すべく、ヨネさんの腕を子供のように引いた。
「ねえねえ~アタシにも手伝わせてよ~」
「礼ちゃんがかい? おお、それはありがたい」
この事により、当然周りの霊達はテンションが上がる。
「やった! 兄貴が居れば100人力だ!」
「待て! あんま喜ぶと、前みたいに情けないって一喝されるぞ」
「んじゃあ、小さく喜ぼう! うわーい!」
相変わらずの小心者達の集いだが、生まれ変わった礼子は以前よりあまり厳しくない。
寧ろ面白そうなので、やたらと首を突っ込みたがるのだ。
目的は一致。
その人間達を追い払う手を、考え出さなくてはならない。
校舎のホコリが溜まった窓から、外を眺めてみる礼子。
一度、その人間らが下見に来たのか?
校舎入口には取り壊しの看板が立たっており、廊下の隅には焼き鳥の串が無造作に捨てられている。
何という人間達だ。
マナー悪過ぎ。
「ムム、こんなとこにゴミを捨ててくような輩は、アタシ許さないんだから!」
すると、意気込んでる所に水を差したくないが、霊は恐る恐る手を挙げた。
「あ、兄貴……それは兄貴が生前、会社の帰り道にここに寄って捨てていった串です……」
その霊はボソッと言いましたが、都合の悪い事は聞き流した礼子でした



