ザ・レイム(霊務5)


「グフッ!!!!」








竜騎は静かな悲鳴を上げ、体は直立状態で痙攣させ、微かな呻きと共に動かせないでいた。














その聞こえるか分からない耳に、その者は静かに語りかけた。








「騒ぎを起こせばお前の願った者を呼べる……では、お前の願いを叶える代わりに、次は俺の願いも叶えて貰うぞ」









体の中を物色するかのように色んな箇所を探ると、目的の物を探し当てた。










「ゲッゲッゲ! あった! あったぞ!! 遂に掴んだぞ!!」










ズポッ――








そのの体から手を抜き取ると、手には玉のような光輝く何かを掴んでおり、竜騎はそのまま地面に崩れ落ちた。











「竜騎ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!」










火鳥が叫ぶと、木の上に居た獅死雄も気付き降り立った。










「どうした! 火鳥!」










目の前にはフードを被った怪しげな霊。

その下には倒れている竜騎。



それだけ見れば、一目瞭然。直ぐに理解出来た。









「貴様……まさか貴様が……?」









「ゲッゲッゲ。俺の名はノワール・ニュイ。これで全員の『玉』が揃ったぞ……」








声は老人のようで、威圧感も霊力もあまり感じない。







本当にコイツが先代の四獣霊達を苦しめた輩なのかと疑いそうになるが、それを聞いた獅死雄が手を前にかざした。










「そうか、貴様が無に帰す者か……どうやって俺の壁をくぐり抜けたか知らぬが、不甲斐ない先代の尻拭いだ! 死ね!」









「待て獅死雄! 竜騎に当たる! ヤツがあの場を離れてからにするんだ!」









獅死雄の衝撃波を読んでいた火鳥は、その腕を掴んで止めた。









「チッ……」











そんな事も気にも止める様子がないノワールニュイは、ただただ自分の成した事に喜んでいた。









「ゲッゲッゲ! ゲッゲッゲ! これで俺の願いが叶う! やっとこの世は平穏を取り戻す!!」










バッ!!!










それだけ口走ると突然後方に飛び出し、そのまま姿を闇に溶け込ませた。











「貴様!! 逃がさんぞ!!!!」