夏場の昼間からのシャワーは良いものだ。
とても癖になりそう。
雫は嫌な事を忘れるように、ぬるま湯で体を洗い流す。
キュッ……
蛇口を締めると、またあの暑い世界に行かなければならないかと気が重く感じるが、夜までこうしていられない。
それに、学校で出された課題もやらなければならないので、さっさと出て行った。
「ふう……」
髪を乾かしながら部屋に戻ると、早速広げるノート。
懸命に勉強をし始め、机の上から全く離れようとしなかった。
最近の女子高生にしては珍しい姿。
決して課題をやらないと厳しい高校と言うわけでもないし、これはただ根が真面目なので当たり前に行う。
己を高める事を、人生の生き甲斐としている雫。
それは、プライドが高いお嬢様目線ではなく、ただ単に見聞を広げる為に知識を増やしたりしているだけの事。
誰隔てなく優しく会話が出来、時には自分の意見も強く言い、成績優秀・スポーツ万能・外見も目がキリッとして、カワイイ系よりキレイ系。
(目がキツいと、本人は気にしている)
まさにパーフェクトな大和撫子の生き写しと言っても過言はなく、男子生徒からの人気も絶大である



