夏の日差しを遮る道場内は涼しげな入り込んでおり、先程の暑さをぬぐい去ってくれる。
その場で袴に着替え、いつもの置かれている棚から竹刀を取り出した。
ふ~~……
心を落ち着かせ、先ずは精神統一。
しばらく目を瞑り、頃合いを計った時にゆっくりと竹刀を振り上げ、そのまま真っ直ぐ下ろす。
ブン!
ブン!
ブン!
素振りを何度も何度も繰り返し、一点に集中する。
すると、直ぐに汗が垂れてくるのを肌を通じて感じ取れた。
面を着けなくても、この暑さ……
汗はかくに決まっている。
それでも懸命に、幾度となく振り下ろす二の腕。
運動をしてる時の汗は、夏の暑さのみで出す汗とは気持ち良さが違うのだ。
トトトト……
しばらくすると、道場に近付く小走りにも似た強い足取りが聞こえてきた



