学校へは徒歩で通学。
歩いても30分弱。
自転車の通学も許されているが、雫はあまり乗り物が得意ではないのと、人通りの多い都会で自転車を走らせるのが嫌と言う2つの理由から徒歩を選んでいた。
早朝早くからの出発で、学校に着く予定時刻も7時ちょい過ぎ。
普段ならまだ学校は開いていないが、部活の朝練のコーチを務める先生が、今日から強化練習と言うことで通常より早く来るのを知っていた雫。
学校に到着すると、予想通り校門が開いていた。
下駄箱まで来ると、ちょうどテニス部の顧問と出くわした。
「お、蓮間じゃないか。こんな朝から早い登校だな。ようやく武道の部活に入ったのか?」
「おはようございます。いえ、今日は図書館を利用したいと思いまして、早くに来ました」
雫の身体能力は教師も認め、様々な部から誘いのオファーが来ているが、それらを全て断っている。
理由は勉学に専念したいと言うものと、様々な用事を掛け持ちしているからと言うものである。
その内の1つが、今話が出た『図書館』
図書委員と協同して、本棚の整理や配置など手伝っているのである。
今日は早めにそれを行い、時間があれば本を読もうかと考えていた



