――十年後 「近江。いつまで泣いているんだ」 「だって……。頭領がひっく、お亡くなりになるなんて」 いくつになっても涙もろい妹を俺は慰めるが、泣き止んでくれない まぁ、仕方ないことなのかもしれない 昨日、頭領が亡くなった 病死だそうだ あんなに優しい方が亡くなるなんて