「……礼は言わない」 「いいわよ別に」 俺は切れた唇に手を当て、ゆっくりと立ち上がる 麗美が手を伸ばしてきたが、振り払う 「……出て行くの?」 「あぁ」 「私さっ、誰かに負けたの初めてだった……」 「だから何なわけ?」 「……そばにいてほしい」