「魁、私は……」 「おーい。そなたが魁か?」 気の抜けた声が俺の名を呼ぶ 「なんだよ、じじい」 振り向くと、みすぼらしい姿のじじいがいた 「ワシの名は玄二。鬼神院の老長をしている」 「鬼神院?なんだ、それは」 「知らんのか?まぁ、元人なら仕方ないか。……鬼神院は、鬼の頭領の監視役みたいなものだ。頭領は知っているな?」 「……あぁ」 たしか、神威とかいう男