「……どうして?あたしの…何が気に入らなかったの?」




「……別にどこが気に入らねぇとかそんなんじゃねぇよ。カナは十分いい女だ。ただ…他に好きな女が出来ただけだ」




「……………」




「悪い。お前よりも好きな女が出来ちまったんだ。別れてくれ」




隼斗は頭を下げてきた。




……何よ、それ。




だったら最初からあたしなんかと付き合わないで。




期待させないで。




やっと…




ずっと一緒にいれる男を見つけたと思ってたのに…。




「……分かったよ…別れよ」




あたしはスクッと立ち上がった。




「ごめんな、カナ。ごめん……」




「謝らないでよ。幸せにね」




あたしは紅茶代をテーブルに置くと、カフェを出た。