極悪彼氏

何者なんだ…。



それにしても小田切グループとは美形ぞろいだ…。



「オイ、この学校のトップ取るって言ったヤツ、5秒以内に前に出ろ。出なかったらクラス全員病院行き」



えっ!?



そ、それってあたしのこと…?



「お前やべぇぞ…」

「名物代表潰し…」

「早く出ろよ…」



さっきまであたしをからかってたとは思えない連中。



ビクビクしすぎ。



そりゃああたしなんてオシッコ漏らしそうだけど。



だって超怖い。



でも…。



「5、4、3、2…」

「コイツですっ!!」



うわぁぁぁ!!



あたしを差し出したぁぁぁっ!!



そんなに自分がカワイイの!?



人間とは非情な生き物だ…。



クラス中の視線を一心に集めたあたしの頭上から降ってきた声。



「あ?こんなチビが?女だろ。こんなので騙そうなんて、俺らもナメられたもんだなぁ」



意外にも楽しそうな声だった。



言いようのない思いで顔を上げるとそこには狂気に満ちた瞳。